2023.12.17みことばの光
先週の祈祷会は「詩篇の愉しみ」。65篇を学びました。この詩篇には思い出があります。船橋の教会で兄弟姉妹と共に学んでいた時に、頭の中に『おお牧場は緑』の音楽が浮かんできたのです。特にその歌の後半の部分が65篇9節以降にとても似ていると思いました。早速、調べてみましたら聖歌のほとんどの歌を一人で訳した中田羽後師の訳詞によるものとわかり、びっくりしました。NHKの『みんなの歌』で歌われるような、教科書にも載っていたような歌の翻訳者がクリスチャンだったのです。(羽後の父、中田重治は日本のホーリネス教会の初代監督です。)その後私は北海道へ行き、放送伝道『ホレンコ』の証しで少し詳しいことを知ることになりました。(「牧場が緑」という本当の意味を思い知ったのも北海道でした。)
「ところで『原に若草が』を訳した中田羽後師の訳で、もうひとつ有名な春の歌がある。『おお、牧場は緑』である。この歌はチェコ民謡が改作された"Ah, Lovely Meadows"が原曲だそうだ。小学校の教科書にも載っていたこともあり、この歌を春の遠足で歌ったことを覚えている。普通の民謡だと思っていたので、後になってから羽後師の訳だと知って驚いた。以前、釧路で讃美の指導に師を招いた時の話が、棚瀬多喜雄師の文章に載っていた。その時、中田師はこんな話をしてくださったそうだ。
「あれはね、聖霊の歌なんだよ。はるか遠い山のいただきの雪が融け、川となり、野山を下り、そしてわたしに呼びかけてくれる、ホイ! … あまりにも遠いと思われるかもしれない神の力が、わたしのすぐ身近な存在となってくださる。そして、いま具体的にわたしを助けてくださる … 聖霊はそういうお方なんだ。そう思ってあの歌を歌ってください。」私たちは知らずに、春の歌としてこの歌を口ずさんでいる。そして心が朗らかに楽しくなる。でも訳詞の中にそのような思いが込められているとは知らなかった。私たちの心に聖霊が働いてくださるのだ。」
おお、牧場は緑 草の海 風が吹く おお、牧場は緑 よく茂ったものだ(ホイ)
雪が解けて川となって山を下り谷を走る 野を横切り畑潤し呼びかけるよ私に(ホイ)
(訳詞 中田羽後)ホレンコの友2016年5月号大山裕昭より
詩篇65篇1、2節 「あなたは地を訪れ 水を注ぎ これを大いに豊かにされます。神の川は水で満ちています。あなたはこうして地を整え 人々の穀物を備えてくださいます。地のあぜ溝を水で満たし その畝をならし 夕立で地を柔らかにし その生長を祝福されます。」