2023.12.3みことばの光
今日はアドヴェント第一主日、教会学校ではイエス様の誕生に先立つバプテスマのヨハネの誕生のお告げと成就を学びましたが、暗唱聖句はイザヤ書25章1節でしたので、礼拝ではイザヤ書25章全体を学ぶことにしました。神は計画を成就された方。イエス・キリストの誕生は、旧約聖書の神の約束のことばの成就であり、イザヤ書は何百年という時代を超える神のみわざと真実を証しする書物だからです。
イザヤは南ユダ王国のウジヤ、ヨタム、アハズ、ヒゼキヤ、四代の王の時代に渡って活動した預言者です。紀元前8世紀から7世紀、この時代はアッシリア帝国が台頭し、北イスラエル王国が滅亡した時代でした。当然、南ユダ王国や隣国にもアッシリアは攻撃をしかけてきたのでした。
25章の歴史的背景は20章1節、アッシリアの王サルゴンによって派遣された将軍タルタンが、アシュドデと戦ってこれを攻め取った出来事の前後であると思われます。これは紀元前713年から711年のこと。アシュドデは古代ペリシテの町。今日もガザの北方35~40キロにあります。新潟市から北に40キロというと中条くらい。そしてアシュドデからエルサレムは東方に70キロ。新潟から東に70キロというと西会津くらいの距離です。南ユダ王国にとって、はるか北方から攻めて来たアッシリアが、海側からユダに迫る状態になっていたと言って良いでしょう。縮尺はことなりますが、ロシアが北海道を占領して、東北地方を海沿いに下って来るようなイメージでしょうか。アッシリアは敗戦国の住民を強制移住させる政策で諸国民を震え上がらせていました。
そんな時代に神様はイザヤに裸になって預言することを命じたのです。(20章2節)彼らが外交上頼りにしているエジプトが、すぐにアッシリアに敗北し、捕囚民として連れ去られる時に、預言者が行為をもって予告したように、裸になって歩かされ、恥を見るということを、ユダの民に知らせ、神ならぬ人(エジプト)に信頼することは愚か、ということを伝えるためでした。今日の私たち日本人も、揺れ動く世界情勢の中で、国防について様々な心配をするものですが、人の目に頼りになると思えるものが、意外に役に立たない、ということは知っておくべきことです。そして25章でイザヤは、揺れ動く世界情勢の中で、ことを成し遂げるのは真の神ということを力強く民に訴えるのです。さらにイザヤは書物全体を通して、民の滅亡と救いも預言しました。これが救い主を待ち望む信仰に続くのです。