2023.11.26みことばの光


 11月23日(木・祝)は日本伝道福音教団の賛美集会『クライアウト』が行われ、牧師は賛美と説教のゲストとして奉仕をしてきました。そもそも『クライアウト』とは何なのか?「泣き、叫ぶ」?集会の初めに、解説がありました。コンセプト(基調概念)はルカの福音書19章40節、とのことでした。「イエスは答えられた。『わたしは、あなたがたに言います。もしこの人たちが黙れば、石が叫びます。』」イエス様のエルサレム入城を歓迎した大勢の弟子たちの賛美について、パリサイ人たちが「先生、あなたの弟子たちを叱ってください」と言った言葉に対するイエス様の反論でした。
 イエス様をほめたたえる賛美の歌声をやめさせようとした人たちの理由は、色々あるでしょう。しかし、イエス様は非常に強い言葉を持って、「この賛美をやめさせてはならない」と言われたのです。また「この賛美を否定することはできない」という意味もあったでしょう。「この人たちが黙れば、石が叫ぶ」とはそういう意味です。たとえ弟子たちの賛美をやめさせても、他の誰かがこの賛美を歌うだろう。もしイエス様を賛美する人が誰もいなかったとしたら、もの言わぬ石が、叫び始めるだろう。イエス様はそう言われたのです。
 「賛美は叫びだ…」と改めて教えられました。それが真実であるから、叫んでも歌わなければならない歌だ、ということです。主イエスのすばらしさは、ほめたたえなければならない、ほめたたえて、明らかにされなければならない、それが信仰者の義務だということです。
 ルカの福音書に記された賛美の歌声は「祝福あれ、主の御名によって来られる方、王に。天には平和があるように。栄光がいと高き所にあるように。」救い主を待ち望む神の民の待望の思いが溢れ出した歌声でした。「イエス様こそ私たちを救ってくださる。」「神の御名のお墨付きで、私たちの前に現れた本当の王様」「すばらしいイエス様をお送りくださった天の神様に栄光があるように。」この待望と喜びには、不十分な信仰理解も含まれていました。民はイエス様に政治的・軍事的な救いを求める向きもあったからです。弟子の中には熱心党、当時の右翼・国粋主義者もいました。しかしイエス様がこの賛美を肯定されたのは、この賛美の歌声に真実が含まれていることを聞き逃してはならないということを伝えなければならなかったからでしょう。主イエスは確かに、天の神様から遣わされた救い主なる王でした。私たちを罪の奴隷状態から解放し、赦しと清めを与え、神の国の住民として新しく生かしてくださる、すばらしい王様が、ご自分の都に帰って来られたのですから、それは喜び叫ぶべき時でした。