2023.1.8みことばの光


 新年最初の祈祷会は「聖書に聴く」。コロサイ4章を読んで、いただいた恵みを分かち合いました。コロサイ書はエペソ、ピリピ、ピレモン書と同時期に記されたパウロの獄中書簡。彼はローマで軟禁状態でした。(使徒の働き28章)コロサイはエペソの東方約160km。第三次伝道旅行のエペソ伝道が波及し成立した教会でしたが、パウロの去った後、ギリシャ哲学の影響を受けた異端の惑わしがありました。教会はエパフラスを遣わし、助言を求めますが、彼は捕らえられ困難な状況に陥りました。(13節)代わりにティキコがオネシモと手紙を運ぶことになりました。
 4章1節は「主人たち」への勧めです。一家の主、職場の長、上に立つ人々への勧めです。重要なのは、自分たちも「天に主人を持つ者」だと知って、関わっている人々に正義と公平を示すことでした。人間しか見ない人は、自分がトップに立つと傲慢になり、独裁的になってしまう危険性があります。しかし信仰者はそうであってはならない理由が明確に在るということです。私たちは誰もが神を畏れつつ、地上で隣人と関わるべきことを教えられます。
 3,4節は説教者のためのとりなしの祈りのお願いです。このような祈りに支えられる説教者は、どれほど励まされることでしょうか。教会で、礼拝で、伝道の場で、みことばが人々に伝わり、霊が導かれるために、必要な祈りの言葉が教えられています。@神がみことばのために門を開いてくださるように、Aキリストの奥義を解き明かせるように、その奥義をB語るべき語り方でC明らかに示すことができるように、の四つのポイントがあります。
 外部の人たちとの関わりにおいては、@機会を十分に生かし、A知恵をもって行動しなさい。Bことばがいつも親切で、塩味の効いたものであるように。そうすれば、どのように答えたらよいかが分かります。「親切に語ろう!」、「塩味ってどんな味?」という心がけが適切な言葉を見つけ、用いることにつながるのです。
 覚えられている人々の名前から、一度は失敗したけれど、今、役に立つ人となっているオネシモ、マルコの名前を見つけることができます。オネシモが人々から歓迎されるために、必要なとりなしの言葉がピレモンへの手紙にしたためられています。その一方でデマスはパウロ殉教の直前に彼の元を去っていったようです。(IIテモテ4:10)私たちは獄中でしたためられた手紙が、その後世界を動かす尊い教えになったことを知っていますが、試練の中で明日の命もわからないパウロの姿に躓いた信仰者もいたのかもしれません。もちろんパウロも祈りを必要としていました。自分のための祈りを最後にそっとお願いしている18節が、私たちの胸に強く迫ってきます。現代の迫害下、信仰の闘いを続けている人々のことを覚え、祈りましょう。