2023.5.28みことばの光
詩篇45篇は王の祝婚歌です。神様は堕落以前の人間に結婚という制度を与え、信者であるか未信者であるかを問わず、夫婦となり家族を形成し子孫をもうけ、人間の生活が守られ、地上で繁栄することを望まれました。それで王の結婚も神の祝福を受けることが願われ、その素晴らしさのうちに神の国の在り方を見るようにと、この祝婚歌は意図されているのです。
2?9節は花婿なる王、油注がれた方、メシアの素晴らしさがたたえられています。2節、その素晴らしさとは「唇から優しさが流れ出る」人格的な麗しさでした。3?5節は軍事的な力強さですが、旧約時代は隣国との戦いに勝利して平和がもたらされることが望まれました。私たちの生きる新約聖書以降、戦いは霊的な戦い、剣は御霊の剣、神のことばになります。(エペソ人への手紙6章10節-18節)
6節で王が「神よ」と呼ばれています。イスラエルの王は油注がれて神に任命された王となりました。油注がれた方のことをヘブル語で"メシア"と言い、これがギリシャ語で"キリスト"となります。私たちは御子イエス・キリストが父なる神に等しい神であったことを知っていますが、旧約聖書の時代にすでに、理想的な王は神であって、天の神から油注がれた王、キリストであることが理解されていたということです。7節はやがてヘブル人への手紙に引用されて、キリストの神であることを裏付ける御言葉として用いられることとなりました。
そして王はふさわしい王妃を迎えて永遠に国を治める者となります。終わりの日に教会がキリストの花嫁となり、来るべき王国を治めることは、旧約時代の王の姿に原型があったのです。10節、花嫁である娘には、自分の家族、親族との絆よりも、夫に対して忠実であることが求められました。創世記2章24節で「男は父と母を離れ、その妻と結ばれ、ふたりは一体となるのである」とある通りです。これは夫婦双方に求められる祝された結婚の秘訣です。11節「彼こそあなたの主。彼の前にひれ伏せ。」エペソ人への手紙5章22節以降は夫婦の関係がキリストと教会の関係を表す奥義だと述べています。そこに記された夫の務めは、キリストが教会を愛し、教会のためにご自分を献げられたように妻を愛することでした。とするならば、王は王妃を自分の命を犠牲にしても命がけで守り、王妃はその愛に応えて王に従う、これが当然の麗しい関係となるのです。祝された結婚は後継が与えられて、王子がやがて全地の君主として任ぜられます。今地上にある教会は、やがて来る天の婚礼のふさわしい花嫁として整えられる途上にあります。整えてくださるのは聖霊なる神様。御霊に助けられて、キリストのからだなる教会をふさわしく建設する一人一人とならせていただきましょう。