2022.12.11みことばの光


 2015年国連総会は持続可能な開発目標、SDGsを採択しました。牧師はこれを聞いた時、「SDGとはそもそも宗教改革の諸原理の一つSoli Deo Gloriaではなかったか?」と思いました。ソリ・デオ・グロリア「ただ神にのみ栄光があるように」。キリスト教の根本精神の一つは、人間中心ではなく神中心です。主の祈りにおける第一の祈りも「御名が崇められますように」でした。創造主なる神に栄光をお帰しして生きる時、人は神に造られたそもそもの目的を果たす幸いを経験するものとなるのです。
 詩篇29篇はそのことを思い出させる詩篇でした。1,2節では「力ある者の子らよ」と天使たちに呼びかけて、主に栄光をお帰ししなさいと命じています。人は被造物の長。天使にすら正しいこと、なすべきこと、神礼拝を命じる存在なのです。
 そして詩人の目は、天から地へ、海から山、砂漠へと移動していきます。レバノンの杉を切り裂き、山々に炎をもたらす雷鳴の轟に主の声を聴きます。詩篇19篇に「天は神の栄光を語り告げ、大空は御手のわざを告げ知らせる」との言葉がありましたが、同じ思想です。その声は「力強く、威厳があり」(4節)、「すべてのものが『栄光』と言う」(9節)。私たちが神に向かって「栄光あれ」と言う時、その心には、神の前での正しいへりくだりが生じ、栄光の神を喜ぶ思いと、偉大な神に対する理解が伴います。9節の「主の宮」とは今日、教会に集う一人一人であり、聖霊の宮なる私たちの心のすべてを指しています。誰もが神に栄光をお帰しするために、ここに集められています。私たちは心の内のすべてをもって栄光ある神をほめたたえるべきです。29篇の結びは、ノアの大洪水以前から永遠の王座に着いてすべてを支配しておられる主の存在を認め、この主がご自分の民に平安を与えられたと言います。かつて神は、信じる者に平和を与えてくださいました。その証拠が今も繰り返し見ることのできる虹です。
 イエス・キリストが生まれた時、羊飼いたちは御使いの賛美を聴きました。「天にはただ神にのみ栄光があるように、地には御心にかなう人に平和があるように。」神の御子の誕生は、まさに人に平和を約束された神のみわざの実現でした。このような救いを成し遂げてくださった神に、私たちはこの季節、賛美をささげ、栄光をお返して生きる存在なのです。