2022.11.6みことばの光
詩篇150篇6節「息のあるものはみな 主をほめたたえよ。 ハレルヤ。」
私は群馬の高崎で牧会中に、三年間、東京、東久留米にある聖グレゴリオの家で教会音楽の研修をしました。その折、グレゴリオ聖歌を所長の橋本周子先生に教えてもらいました。師曰く「私たちは神によって息を吹き込まれて生きるものとなったのですから、息を用いて神をほめたたえることは私たちにふさわしいことです」と歌を歌うことの根源的な意味を説き明かしてくださいました。
コロナ禍で私たちは以前のような賛美をすることができなくなっていますが、しかし危険の少ない歌唱についても研究され実践が行われています。私たちの教会でもエアロゾルに注意しつつ、息を用いて神様を賛美することを可能な限り挑戦したいと考えました。
エアロゾルの発生について日本語とドイツ語の歌唱を比較したデータがありますが、日本語では60センチ、ドイツ語では1メートルエアロゾルの拡大が見られたそうです。なるほど、日本語は母音が多く、世界の諸国の言語ほど子音を激しく発音しない言葉です。子音の中でも、破裂音は特にエアロゾルを出しやすく、そうでない摩擦音は、さほどでもないようです。それで、礼拝では3種類の歌い方を試してみることにしました。母音の歌唱ではほとんどエアロゾルは発生しないそうです。しかし互いの間隔は十分にとり、賛美の後は換気をしましょう。
「ナナナ」による歌唱は、共鳴法を理解するためです。頭蓋骨や体をよく響かせることは、これもエアロゾルの発生には関わらない、良い響きのためのテクニックです。息を鼻を通らせることにより、頭蓋骨をよく響かせることをイメージしてください。少量の息でもしっかりと音を響かせることができます。ハミングは完全に口を閉じます。
コロナ禍以前のような自由な歌唱を行うことは、まだ尚早と思われますが、声を響かせることを留めてしまう必要もないでしょう。このような時を忍びつつ、可能な限りの賛美を歌いつつ歩むものとならせていただきましょう。