2025.11.2 みことばの光

 
 先週の祈祷会は恵みの分かち合いでしたが、その前に、聖書通読箇所、エレミヤ書28章を読みました。エレミヤ書は南ユダ王国の最期を私たちに伝えていますが、28章はまだ滅亡に至る7年ほど前のことです。1節に登場するアズルの子ハナンヤは、2節、主の名によって未来を預言します。「主はこう言われる。わたしは
バビロンの王のくびきを砕く」 しかしこれは根拠の無い預言でした。神に立ち返ることのない民衆の耳に、心地よいことばかりを語り、偽りの平安に安住させ、真の神への立ち返りをうながさない偽りの預言だったのです。彼は偽預言者でした。
神に導かれるエレミヤは、6節、皮肉を込めて、「アーメン、そのとおりに主がしてくださるように」と語りますが、しかし9節、「平安を預言する預言者は、その預言者のことばが成就して初めて、本当に主が遣わされた預言者だと知られるのだ。」と述べます。
ハナンヤはエレミヤの首にはめられた枷を砕き、主の解放の未来をなお主張しますが、その後主はエレミヤに「鉄のかせを作ることになる」との真の預言を与えたのでした。南ユダの未来は、バビロンの攻撃と支配を免れることはない、ということです。そして偽預言者ハナンヤは三月たたずに死ぬこととなったのでした。
神のことばは、幸いや平安だけを語るものではないと知るべきでしょう。人が罪を犯し続けるなら、戒めとしての災いがあり、国が滅ぶこともあったのです。この時代の後、混淆宗教のはびこった北イスラエルで獅子の害が多発したことは、指摘しておくべきでしょう。
難しい時代に、エレミヤの働きは困難を極めますが、彼は神の真実な言葉を取り継ぐことを止めることはありませんでした。今の時代も同様の難しさがありますが、私たちは真実な神のことばを聞き分けるものとならせていただきましょう。