2025.9.21.みことばの光

 
 9月も下旬に入り、終わりに近づいた今日この頃ですが、9月のうちに436番を皆様と共に歌っておきたい、との思いが与えられ、『遠き国や』を礼拝賛美の一曲として選びました。この歌は1923年(大正12年)9月1日に発生した「関東大震災」のおり、英語教師として来日していたアメリカ人宣教師J.V.マーチンによって作詞・作曲された賛美歌です。 余震が続く夜、マーチン宣教師は、明治学院の校庭を訪れました。被災者に支給された蚊帳の中でゆらめく蝋燭の光が十字架に見えて、この賛美歌の詞を書いたそうです。
   
     1節 遠き国や 海の果て いずこに住む民も 見よ
        慰めもて変わらざる 主の十字架は 輝けり

 人としてはこの試練をどのように乗り越えたら良いかわからないような苦境において、十字架の救い主イエス様の希望が、マーチン先生の心の中で燦然と輝き始めたのではないでしょうか。

       慰めもて 汝がために 慰めもて 我がために 揺れ動く地に立ちて
        なお十字架は輝けり

     2節 水は溢れ 火は燃えて 死の手広げ待つ間にも 慰めもて変わらざる
        主の十字架は輝けり

 私は幼い頃からこの歌を知っていましたが、水は溢れ、火は燃えて、という状況が同時に起きてくることを知らず、詩的な表現だと思っていました。しかし3.11を経験した時に、大地震が起きれば、津波は来るし、火災は起きる、まさにそのような状況が現実になるのだと知りました。歌は事実を伝えています。忘れてはならない大災害、それにまつわる色々な出来事を心に刻みつつ、恵みによって生かされている今日を共に喜ぶ者でありたいと思います。