2021.12.26みことばの光
先週24日(金)はクリスマスイブ音楽礼拝&キャンドルサービスを行いました。説教では讃美歌第二篇228番『こころに主イェスを』の歌詞を聴き味わいました。この讃美歌はヨハン・セバスティアン・バッハが1723年7月2日の主日礼拝のために作曲した編曲を、後にイギリス人ピアニスト、マイラ・ヘスがピアノ編曲したことから世界中で広く聴かれることになりました。通称"主よ、人の望みの喜びよ"というタイトルが有名です。
バッハが作曲した主日は”マリアのエリサベツ訪問の祝日”で、受胎告知の後の聖書の記事が説教されたと推測されます。エリサベツを訪問したマリアの心には様々な不安、心配があったことでしょう。しかしマリアがエリサベツにあいさつするとすぐにエリサベツの子が胎内で踊ります。後のバプテスマのヨハネでした。ヨハネの使命は救い主の登場を準備すること。ですからヨハネはまだお腹の中の赤ちゃんであるというのに、イエス様との対面を心から喜んだのです。その胎児の喜びをエリサベツはお腹の中に感じ、彼女も喜ぶものとなりました。「私の主の母が私のところに来られるとは、どうしたことでしょう。(ルカ1:43)」これは疑問ではなく喜びの驚きです。エリサベツはマリアのお腹の中の赤ちゃんを「私の主」と呼びました。マリアの赤ちゃんは救い主なる神の御子だったからです。そしてエリサベツはマリアを力づけ励まして送り出したのでした。マリアは不安を払拭し、神をほめたたえる歌を残します。その言葉はルカ1章46節から55節の"マニフィカート"となっていますが、この時の心境に合わせて作られた讃美歌が『こころに主イェスを』ということになります。ドイツ語の原歌詞ではマリアの言葉にふさわしく一人称単数を主語とし「イエスを抱く私は幸い」と歌われます。日本語の歌詞では「心に主イェスを宿せる我らは」と複数になり共同体の讃美歌になっています。イエスを心の内に宿す幸いはマリアだけのものでないからです。私たちもイエス様を信じ心に迎え入れることができるのです。そのためにイエス様は地上に来られ、人としてお生まれくださいました。讃美歌の歌詞は最後「いかなるときにも主より離れじ」という言葉で結ばれています。イエス様を心に歓迎し、生涯この方と共に幸いな道を歩ませていただきましょう。