2021.8.1みことばの光
牧師はオランダ帰りのハレファ・スルヤ先生の主催するアブラハム・カイパー『一般恩恵論』("Common Grace"by Abraham Kuyper)の読書会(月一Zoomによる)に参加していますが、先日の学びの後、有益な記事が紹介されましたのでお知らせします。カイパー(1837-1920)はオランダの政治家にして神学者。1901-1905年までオランダの首相を務め、ヘルマン・バーフィンクと共にオランダ改革派教会の創立にかかわった一人です。『一般恩恵』とは『特別恩恵』と対をなす概念です。『特別恩恵』はキリストの救いの恵み、信じる者に与えられる神の恵みですが、神の恵みはそれだけでありません。信じる者にも信じない者にも等しく与えられている恵みを考察するのが一般恩恵論です。
とりわけ重要なのがノアの大洪水とその後に与えられたノア契約です。神の御声に従ったノアが救われたのは信じる者に与えられる特別恩恵。しかし、ノア以降、すべてのものが大洪水のとどめられた世界で生かされるようになったことは一般恩恵。現在、信じる者も信じない者も神の恩恵の中で生かされているのです。この契約の中で、創世記9章5節、殺人の禁止がすべての獣とすべての人に与えられました。モーセの十戒よりも前に、より普遍的な戒めとして、殺人は神によって禁止され、聖書はこれがすべての獣にも命じられたと語り、カイパーはこれにより獣と人との生活の領域は一定に定められて肉食獣であってもむやみに人を食い物にすることはなくなったと説きます。北海道暮らしで教えられたことは、ヒグマの出る山に入る時には、クマに挨拶してから入ること。しかし近年はルールを知らない若熊が里に出くわし、居座って問題になっている。人の生活領域が広がったことで自然環境が変化させられたことも問題になっています。
紹介されたサイトのタイトルは『私たちが生活様式を見直さない限り、今後も「パンデミック」は起こるのか?』(https://www.harpersbazaar.com/jp/beauty/health/a32709792/future-pandemics-200531-lift1/)人間の生活の変化が野生との接触の機会をもたらし、未知のウイルスとの出会いをもたらしたことを示唆する文章になっています。私たちはコロナの終息を願う以上に、自分たちの生活を神の前に悔い改める必要があるのではないか、そんなことを考えさせられました。