2021.8.22みことばの光
8月15日(日)主日午後2時より東中通教会にて「平和・わたしたちの課題」と題して辻哲子牧師の講演が行われました。1930年生まれの辻先生は小学生の時に皇国史観に基づく教育を受け、薙刀、手旗信号の訓練を受け、いざという時には自分たち女子も戦わなければならないと教えられたそうです。当時、父親である牧師のモットーは「この地は過ぎ行かん。されど我が言葉は過ぎゆくことなし」、母親は「思い煩うな、1日の労は1日に足れり」と愚痴一つこぼさず生活をしていましたが、浮世離れした親たちだと考えていたそうです。しかし戦後日本国憲法が発布され、古きは過ぎ去る新しい価値観の世界の中で、父親の言っていた通りに変わらない価値観は聖書にあることを思い知り、自身もクリスチャンになったとのことでした。またその後に夫となった辻宣道師は、お父様が戦中獄死されるホーリネス弾圧事件を経験された方でしたが、厳しい経験をへて、しかしご自身もキリスト教教職者となる道を選ばれたとのことでした。
戦中、戦後を経験されたからこそ、厳しくとも守らなければならない道があることを証しされた言葉は、よどみなく揺るぎないものでした。76年前には、思想信条を抑圧する治安維持法に代表されるような確かに暗黒の時代があったのだと語っておられました。
今日の日本が良い国となるためには「本当に良い作物は、良い土壌があってこそ育つ」、国民一人一人が良い精神風土という土壌を持つことが必要。国民が主権者とされた現行憲法の意味をしっかりと受け止め、「世界の至宝」なる憲法第9条をどのようにしたら大切にできるか、考え、行動する必要があるとのことでした。
そのような視点で今日を眺めた時に、無責任、自己保身、間違った個人主義が蔓延し、76年前の歴史と罪責が認識されていないことの問題を述べておられました。「この世には神に背く力が巧妙に働いている、しかしイエスの愛はすでに十字架で勝利をおさめている。勇気を働かせ地の塩となるべき」と結んでおられました。「世にあっては苦難があります。しかし、勇気を出しなさい。わたしはすでに世に勝ちました。」ヨハネの福音書16章33節