2021.7.4みことばの光


 先週の祈祷会は「聖書に聴く」。旧約聖書サムエル記第一31章を読んで恵みを分かち合いました。サムエル記はイスラエルが士師に治められていた時代を終えて王制国家になる時代を描いています。最後の士師が預言者サムエル、最初の王がサウルでしたが、彼はペリシテとの激しい闘いで命を落とすことになります。

 31章2節、王に先んて王子たちが次々に戦死します。ダビデの親友、父以上に人望も厚いヨナタンが打ち殺されたことはイスラエルの陣営に甚大な衝撃を与えたことでしょうが、ヨナタンだけでなく他の二人の王子も殺されたのでした。

 残るサウルを射手たちが狙い撃ちにします。彼は強者であり、剣や槍で接近戦をしかける者はいませんでした。多勢が射掛ける矢が雨のようにサウルに降り注ぎ、彼は致命傷を負います。道具持ちに殺してくれと願うサウルは、神の祝福を失ってなお、無割礼の者にはなぶりものにされたくない、神の民イスラエルの誇りをもって死ぬことを望みました。道具持ちは王の命を奪うことを恐れ、しかし、自害した王の後を追います。困難な闘いの中で倒れた彼らの遺体は翌日ペリシテ人が見つけました。サウルの首は切られ、武具は剥ぎ取られ、死体はベテ・シャンの城壁にさられされました。辱められることを拒んだサウルでしたが、その望みはかなえられなかったのです。

 唯一の慰めは、彼に恩義のあったヤベシュ・ギルアデの人々が、夜通し歩いて遺体を取り戻したことです。サムエル記第一の11章にサウルが彼らを助けた時のことが記されています。ヤベシュ・ギルアデの人々がアンモンのナハシュに脅された時、神の霊はサウルと共にあり、彼は全イスラエルに檄を飛ばしてナハシュに立ち向かいます。夜明けと共に陣営に突入、昼には敵を蹴散らして、勝利を授けられた主に感謝したことでした。この日の活躍ぶりを思い起こすほどに、主の御心を損ねて生涯の終わりに向かったサウル王の悲惨さが浮き上がります。神様が大勝利を与えてくださった日のことを忘れず、どんな時にも主の御心を第一として祝福の道を歩み続けるものとならせていただきたいと思います。