2021.6.6みことばの光


 先週の祈祷会は「御言葉に聴く」。サムエル記第一3章を解説した後、恵みを分かち合いました。1節の「そのころ、主のことばはまれにしかなく?」は士師記の時代からこの時に至るまで、直接啓示(神様からの直接の語りかけ)が希少な時代であったことを伝えていますが、この章をもって神様は、サムエルに直接語りかける新しい時代を始められました。3節「神のともしびが消される前」とは神殿の聖所に置かれた金の燭台のこと。夕方から朝までともしておくことが命じられていました。夜明け前の時刻を示しています。

 主はサムエルを呼びますが、御声を初めて聞いたサムエルは、エリが自分を呼んだと思い師のもとに走ります。同じ事が繰り返されたのでエリは、主がサムエルを呼ばれたことを悟り「主よ、お話しください。しもべは聞いております」と答えるようサムエルを教えました。10節のサムエルの返答に「主よ」が欠けています。サムエルにはまだ確信がなかったようです。しかし「お話しください。しもべは聞いております」という返答は、サムエルの心の内に、神の啓示を受け取る備えが出来たことを示しています。

 11節の「だれでもそれを聞く者は、両耳が鳴る」は聖書において災いの予告を受けた者の様子を表す言葉です。読者はこの句の後に恐ろしい災いの宣告があることに気付きます。主はエリの息子たちに対する指導責任を問われました。13節を言い換えるなら「息子たちを重んじ主を軽く見たこと」これは2章29,30節で示された罪でした。エリはサムエルから神の啓示を聞き、自分に語られた事がいよいよ実現することを確信したのでした。3章19節からはこの章のエピローグ。全イスラエルに主の預言者サムエルが立てられ新しい時代が始まり、それはダビデ、ソロモンというイスラエル王政の頂点に続きます。

 サムエルの登場に際して、祭司エリの不十分さ、その息子たちの罪深さを教えられますが、主はサムエルの母ハンナの祈りを聞きつつご自分の大きな計画を進められました。個人的な祈りに答える神様、その人を通して御心を実現される神様、祈りがきかれた時に、大切な第一子サムエルを主にささげ、委ねたハンナの信仰の正しさを教えられます。